お雛様から甦る父の記憶

 

今日から始まるひなゆき見飾りに合わせて、宿にいつもの20数年前、実家から届いた娘のお雛様を飾りました。

人形のはなふさという当時、いえ、今でもかな?実家の鳥取では有名だったお店の品です。

これを選んでくれたのは実家の父、今も健在。

そう言えば何かと値をはるお買い物の決定権は当時から父でした。

というか今は亡き母は私と同じく、大雑把な性格で余り物事を吟味するのが得てではありませんでした。

一方父は当時高校の化学の教員で、常に白衣を纏い、己の机上はどんなに書籍が堆く積まれようが、埃が被ろうが、決して誰にも触れさぬ人でした。

つまり、なかなかの几帳面な頑固者だったのかも、と今思います。

所謂入学卒業に関する高価な買い物、記念の家族旅行等の選定は全て父の計画通りに進み、まあ逆に今は亡き母は、楽チンしていたのかも知れません。

そんな父と初めて大学受験で二人っきりで東京へ。

しかも初の新幹線グリーン車、宿泊は四谷のホテルニューオータニ。

厳格な父と二人っきりの緊張感と更に慣れぬ都会の華やかさのせいにして、見事受験は敗残。

嫁ぐ頃、その父は我が母校の校長として忙し日々を送っておりました。

何より悔やまれるのは、退職後に夫婦二人でのんびり余生を送られなかった事に付きます。

父と母とでゆっくり老後を楽しんで貰いたかった、お手伝いもしたかった、私も一緒に教わりたっかった・・・

出来ぬ願いばかり溢れる今日の私です。

 
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